愛鳩サロン

愛鳩の友


 
 
 ニッポンTODAY
 

 2007年度全日本優秀鳩舎
トップ8の飛び筋を探る

  07年全日本優秀鳩舎に選ばれたのが上の8人。ベテラン、新鋭入り混じったメンバー構成であるが、昨春を賑わせた強豪ばかりであることは一目瞭然であろう。距離、天候、レース展開、様々な条件を乗り越えて上位に鳩をまとめ続けた彼らの飛び筋とはどんなものなのだろうか? 帰還率の厳しい昨今の鳩レースにおいて、「落ちない」「抜ける」をキーワードに07年春を雄飛した日本最高峰の飛び筋の源を探ってみたい。 
 まずはクラウン賞に輝いた及川 茂鳩舎。まさにどんな展開でも上位に鳩をまとまって来る力を持つエースピジョンタイプの系統、及川シャンテリー系を武器に最高の入賞率を達成。規定3レース、いずれもまとまって鳩を帰したうえ、地区Nはベスト7独占。「系統」の力をまざまざと見せつけた。
 続いて千葉の実力者、米倉勝弘鳩舎、ゴールド賞4回受賞のその実力の源は、ベアトリックスカイパー等の長距離銘血を軸に据えた本物志向の飛び筋にあった。同じくゴールド賞を受賞したのがうさぎロフト。こちらは選手500羽という大規模鳩舎だが、その中身は中距離から長距離までカバーする銘血軍団。勝利至上主義で集められたそのレーサー群は驚異的だ。
 シルバー賞で最高の評価だったのが、唯一人地区CH特別賞からの三賞受賞、照山俊郎鳩舎。3連続総合優勝のインパクトをもたらしたものは、照山デーゲンス系をはじめとする自身の飛び筋の切れ味であった。注目すべきは初3賞となった鹿島成浩鳩舎。東京で選手500羽。種鳩500羽。そのすべてが海外の銘血バード。これからどこまで強くなるのか想像もつかない。
 関東圏外から唯一3賞に食い込んだのが、富山の横井信治鳩舎。レース歴8年で地区CH6回獲得という驚異的な実力の背後には、名古屋の銘系「佐治輸入系」があった。そしてこちらも初の3賞に輝いたのが、千葉の委託鳩舎、リバーサイドロフト。全国の委託者の夢を乗せて東日本CH30羽記録は見事の一言。そしてブロンズ賞には日鳩から唯一ランクインした古豪、中島郁雄鳩舎。小羽数で1000キロを戦える秘密とは?
 ベテラン、新鋭、大規模鳩舎、小規模鳩舎、個性豊かな彼らの飛び筋の源に迫る。
  

 
 ヨーロッパTODAY

アーノルドに始まるコロニー形成
ヨス・トーネの銘血で1997年バルセロナIN優勝 V・ファンヒュースデン(後編)
ベルギー鳩界の最強ヨス・トーネの主力ラインを支柱に据える。長距離レースに夢を抱くV・ファンヒュースデンにとって、97年のバルセロナIN制覇は誇るべきコロニー形成の第一歩となった。
 
ド・13×ド・25=21世紀のヤンセン
世紀の銘鳩ラインの配合で“21世紀のヤンセン”を担うボルグマン兄弟

純クラック・ヤンセンの正統派、ボルグマン兄弟。彼らはヤンセン兄弟から叔父であるド・クラックへと伝わった純ヤンセンのみで戦い続けるまさに"21世紀のヤンセン”である。ド・クラックの銘鳩ワンダー13と自らの代表CHド・25のラインを自在に組み合わせ、新たな伝説を創造し続ける。

 
ベルギー最強鳩舎 ヨストーネ ― 栄光への道 ― 連載14回
“ポコ”に並ぶ最高級ブリーダー“スモウ” 
他国で偉大なる成果を収め、自らも最高の勝利を収めた。ヨス・トーネ会心の種鳩“スモウ”は、代表CHブリーダー“ポコ”に並ぶ優れた遺伝力で数々のスーパーCHを誕生させてきた。
 
▼その他 ヨーロッパTODAY
銘血の宝庫から生まれた俊鳩
 06年モンリュソンNPO優勝 フーブ・ファンドリール
 成績がふるわなかったとしても、フーブはスプルートがレースから帰還する度に内心で満足げに頷いていたのかもしれない。疲労をみじんも見せない、ぬきんでたタフさを掴んだ掌で感じながら…。生まれるべくして生まれた真性のスピードバードは、たとえ力任せの力戦になっても強いことをモンリュソンNPOという大舞台で証明した。

■時空を超えた長距離の精髄
            アントン&ルーシー・ファンデウェーゲン
 優れた資質をそのまま受け継いだのは、レーサーだけではなかった。そのレーサーを作り出した名匠もまた、“鳩の魔術師”と謳われた父から有り余る才能をまるで生き写したように授かっていた。父・アドリアヌスが常勝神話の序章を鳩史に記してからおよそ4半世紀 ― 。息子・アントンの手により神話はいまだ途切れることなく書き綴られている。

友情の結晶がINの大空を雄飛  2年連続バルセロナIN上位入賞
  ・バルセロナIN・CHシップ獲得  ルック&ヘラルド・ヘルボーツ
 ヤン・アールデンからアドリアヌス&アントンのファンデウェーゲン父子へ伝えられ、頑なに守り抜かれた“純血”を、息子のアントンから唯一、のれん分けされた鳩舎がある。ルック&ヘラルド・ヘルボーツ。参加羽数が2万羽を優に越えたバルセロナINの桧舞台で01、02の2年連続で上位入賞を果たし、チャンピオンシップ1位を獲得した、長距離の雄だ。
 
 
 
 遺伝学への巡礼 第9回 ホルモンの働き  山浦 純一
 

  今月はホルモンについて考察してみたいと思います。ホルモンは体内調節系として非常に重要な物質です。ホルモンは筋肉やエネルギー代謝に密接な関係を持つため、運動能力に大きな影響があります。

今月のポイント
●運動能力を左右するホルモンは環境に影響を受ける
●筋肉を作るホルモンの仕組み
●「成長ホルモンのバランスを崩さない健康な血統が重要

 

 
▼その他 連載記事
 
■連載19 マルシンバード・上海委託レース奮闘記 新井健仁鳩舎
■連載14 アイキュウの輪 交友関係からみる意外な素顔  大竹清一さん
■連載5  各地のベテランフライターに聞く 2月の管理
 
 
 

☆愛鳩の友2008年 1月号の紹介☆

2007年12月号の目次はこちら→
 
 ニッポンTODAY

 世界を凌駕する! 日本最大の鳩(ピジョン)イベント
2007年度全国著名愛鳩家の集い

 昨年11月23日(金)、2007年度「全国著名愛鳩家の集い」が、東京・椿山荘「オリオンの間」にて開催された。連盟、協会、国境の垣根を越えて400名近い愛鳩家が集結し、今年の活躍鳩舎を称え、鳩界を鼓舞した。
  
 ▲総勢400名近い参加者による乾杯。連盟、協会の垣根を越えて心がひとつになった瞬間

クラウン賞 及川 茂鳩舎
      (新日本連合会・翔道5段)

 第2次選考委員長を務めた黄 廷彰氏(W・ピジョンジャーナルクラブ・台湾代表)がゆっくりとその名を読み上げる。
 「OIKAWA SHIGERU LOFT」
 瞬間、会場からは万雷の拍手。ヒーローは喝采に雄後押しされ、壇上中央へと進んだ。 及川茂鳩舎と言えば、第3回プリンスレースが思い出される。1000キロ当日帰りで勝利を飾り、高校生フライターは一躍脚光を浴びた。05年、初申請で地区CH賞受賞。翌年にはゴールド賞に輝き、クラウン賞までの距離をぐっと縮めた。
 そして、07年春。及川鳩舎は主力・若大将と及川シャンテリーを携え、圧倒的な強さを見せる。地区Nではトップ7独占。最終・桜花賞でも蔭りはなく、好入賞率を叩き出した。結果は申請58鳩舎のなかで、ダントツの平均入賞率。高い評価を得て、王座へ昇りつめた。



 ▲前年度の覇者・高山初夫鳩舎(中京連合会)から、クラウン
の証を戴冠。この瞬間、セレモニーは最高潮に達した。

ゴールド賞 米倉勝弘鳩舎

         (下総連合会・翔道4段)

 椿山荘の晴れ舞台に、3賞の常連鳩舎が帰ってきた。鳩界屈指の強豪、米倉勝弘鳩舎である。過去にゴールド賞3回 ( 98・02・03年)、シルバー賞1回(04年)。フライターは3年振りの3賞、4度目のゴールドに輝いた。

ゴールド賞受賞 うさぎロフト
       (水戸梅香連合会・翔道2段)

 07年、うさぎロフトこと大槻政明鳩舎はシーズンを通し、好調を維持した。序盤のメインレース、Rgでは総合ベスト3独占。3シーズン連続で、500キロを制した。また、フライターは、最終ジャパンカップでも秀逸な成績を収める。多くが涙を飲んだ耐久レースで、うさぎロフトは最多6羽を記録。総合9位を筆頭に、総合57位、66位と長距離レースでの規定3羽を上位に叩き込んだ。

シルバー賞 照山俊郎鳩舎

         (千原連合会・翔道5段)

 昨年、千葉5連盟が属す第7地区は激戦を極める。申請4鳩舎はいずれも、全国レベルの好数値。照山俊郎鳩舎は、平均入賞率で他鳩舎を下回り、惜しくも地区CH特別賞に甘んじた。とは言え、フライターが収めた実績は単純に数字では計れない。第1次選考委員は好成績を高く評価し、結果、照山鳩舎は全日本優秀鳩舎の7名に選ばれた。最大の要因は、やはりトリプル総合優勝。Rg、600キロ、そして地区Nの3レース連続制覇は強烈なインパクトを与えた。

シルバー賞 鹿島成浩鳩舎

              (武蔵野連合会)

 レース歴7年、鹿島成浩鳩舎は翔け上がるように3賞へと昇りつめる。とは言え、道のりは、決して平坦ではなかった。タイトルは試行錯誤の賜物。挫折を恐れない飽くなき探究心、何より鳩レースへの情熱が急成長を促した。

シルバー賞 横井信治鳩舎

    (富山北連合会・翔道別格2段)

 北陸鳩界史上2人目となる  3賞鳩舎が誕生した。タイトル獲得は、1977年に上野文雄鳩舎(富山連合会) がシルバー賞を受賞して以来、実に30年振り。歴史的快挙を成し遂げた横井信治鳩舎には、会場からは惜しみない拍手が贈られた。

シルバー賞 リバーサイドロフト

               (常総中央連合会)

 オーナー・薄井定男氏は、全国からレーサーを請負い、自身の作出鳩と共にレースに臨む。テーマは、誰もが楽しめる鳩レース。勝ち負けに拘らない姿勢が、シルバー賞への道を切り開いたに違いない。

ブロンズ賞 中島郁雄鳩舎
        (石岡支部・翔道4段)

 日鳩最強の男が、満を持して椿山荘の舞台に上がった。フライターの名は、中島郁雄鳩舎である。強豪は04年、05年と2年連続で全国最優秀鳩舎を獲得。協会を代表するトップフライターとして名を馳せた。
 
 ヨーロッパTODAY
手にした珠玉のCH
ヨス・トーネの銘血で1997年バルセロナIN優勝 V・ファンヒュースデン(前編)
史上稀に見る耐久戦となった1997年のバルセロナ IN。ヨス・トーネの銘血を駆使するファンヒュースデ ンのレーサー、アーノルドが難レースに打ち勝ち、見事 2万4,908羽の頂点に立った。
 
若武者たちの熱きドラマ
2007年若鳩の祭典「ダービー・ユニオール」

オルレアンの一斉放鳩は姿を消すも、若鳩の祭典に誰もが胸を躍らせる。07年、「ダービー・ユニオール」は熱きドラマを展開した。勝利の数だけ、ストーリーは生まれる。ゆえに、若鳩レースの人気は衰えないのだった。

 
ベルギー最強鳩舎 ヨストーネ ― 栄光への道 ― 連載13回
フーデングリジェの羽色に潜む優れた因子
 
フーデングリジェの類稀なる優れた因子を次の世代へと繋いでいく。ヨス・トーネ会心のブリーダー、モーイステ・リュースは直系に数々の俊鳩を誕生させてきた。
 
▼その他 ヨーロッパTODAY
■驚異のNエースPコロニー
  06年ドイツN長距離エースP1、2、4、6位獲得 基礎鳩ラインで勇躍ルドルフ・グリュー

 会心の勝利に何度、拳を握り締めたことか…。06年、ルドルフ・グリューは期待の基礎鳩ラインでN長距離AP賞(INカテゴリー)1、2、4、6位を獲得した。

■三位一体の勝利 
  07年イルンN優勝 グーッセン・ドゥラールト&フィルス
 父独りでは、あるいはなしえなかった勝利かもしれない。思慮深く、現実的な父、女性らしい細やかな配慮で管理全般を底上げする母、そして柔軟な発想と有り余る体力で鳩舎を牽引する息子 ─ 。親子3人にとって数年来の夢だった長距離制覇を果たせた勝因は、鳩舎名に明記されていた。

■迷わなかった迷い鳩
  07年バルセロナ N7,525羽中優勝 IN25,820羽中2位 ハリー・トビー
 ハリー・トビー家の庭に迷い込んできた鳩は、そこで迷いを捨てた。以来、飛ばせばハリーの下へ帰ってくる。後に種鳩としてもしっかり定着。5年間、トップブリーダーの位置を動かず、05年、遂に飛びぬけた俊鳩を生んだ。その迷い鳩は、ハリーに勝利をもたらすために配剤された、天からの贈り物だったのかもしれない。
■待望の大勝利を最高の鳩で!  07年サンバンサンIN1歳鳩7,520羽中優勝
  ベルギーの長距離スペシャリスト ロジャー・ギオン
 短中距離から長距離志向への転換を機により良い場所を求めて引越しをする。目標達成へ向けての取り組みはいつも真剣だ。熟年フライター、ロジャー・ギオンが、73年間の人生の中で最高の日を迎えた。07年7月31日、サンバンサンIN1歳鳩レースで、期待の鳩が後続に18メートルの差をつけトップに立った。
 
遺伝学への巡礼 第8回 新しい遺伝子  山浦 純一

 レース鳩の交配においては、いかに優れた遺伝子を後代に確実につなげていくかということがテーマとなります。

今月のポイント
●新たに生まれる子鳩は全て新しい遺伝子型を持つ
●劣性同士を交配すると劣性がホモ化してしまう
●「天才型」の遺伝子から家系を作る

 
▼その他 連載記事
 
■連載18 マルシン近親×異血CH=勝利の方程式 新井健仁鳩舎
■連載13 アイキュウの輪 交友関係からみる意外な素顔  羽深 茂さん
■連載4  各地のベテランフライターに聞く 1月の管理
 
 
 
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