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 長距離大レースを勇躍!
 
2008年春東日本CHレース ベスト10&地区優勝鳩舎の勝因を探る


 今春の東日本CHは2日日延べの好判断が奏功し、高分速、当日76羽の好帰還を記録した。狙い通り、あるいは意外な結果に戸惑う者と反応は様々だが、上位ベスト10、各地区優勝鳩舎の自己分析からは、それぞれの確かな勝因が見えてくる。


▲東日本CH放鳩シーン 写真提供・早川二郎氏

 必然的勝利の工程に迫る!
 2008年ジャパンカップ総合ベスト10座談会

 今年のジャパンカップは、予定より1日早い放鳩で幕を開けた。天候を読んだ決断は功を奏し、1戦は能力勝負の実力戦を展開。上位には各地区を代表する強豪たちが名を連ね、その最たるが大高 繁鳩舎だった。フライターは06年3地区GP総合優勝鳩を現役復帰させ、初山別に挑む。そして、見事広域レース2連覇を達成した。

 抜ける鍵は独創力と信念
 2008年GP800キロレース・トップ4座談会  5月27日 於・埼玉連合会事務所
 気温が平年を下回った放鳩地と、平年を上回った帰還地の寒暖差ゆえか、耐久戦の様相となった本年のグランプリレース。分速は1000メートル台にとどまったが、反面、当日帰りは31羽と上々。記録羽数も1,727羽中578羽に上った。難しい展開になってもしっかり帰還する――。そんな強い鳩質作りの秘訣をベスト4の血統構成と管理方法に探った。


▲前列左から坪井政雄連盟長、総合優勝の小早川正二氏、総合2位の田中通夫氏、後列左から総合3位の船川重夫氏、総合四位の山田清道氏。

 

▼その他 ニッポンTODAY
■2008年度 インタージェネレーション・コンペ結果発表! 勝利を手に世代を制した男たち
 5月末日に受賞申請の締め切りを迎え、ようやく2008年度IGCの最終結果が確定した。今年、全国優勝を収めたのは横川定雄鳩舎、斎藤 博鳩舎、そして丸山修二鳩舎の3人。いずれも申請レースで総合優勝を果たし、且つ、自鳩舎帰還鳩(各部門の規定羽数)の順位がそのまま総合序列に反映されるという圧巻の勝利劇を繰り広げた。
■08年度春季 鳩協&日鳩レース成績

 

 
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 ∞の可能性が眠る、覇王の血 “王朝”の威勢、
 いまだ衰えず…  ディルク&ルイ・ファンダイク
 21世紀も勝利の方程式からこの名前を外すことはできないようだ。ディルク&ルイ・ファンダイク、そして“カンニバール”― 。近年勢いにやや翳りが感じられたが、水面下では依然、優入賞鳩を絶えず輩出。“王朝”の勢力図は確実に伸び広がっていた。では何故水面下に? 理由は余りにも強すぎる遺伝力にあった。
 
 叩き上げの“実戦派”集団
 「最強」のスピードCHコロニー  ゴメール・フェルブルッゲン

 ナショナルレースで優勝10回、トップテン入賞57回 ― 。特筆すべき翔歴だが、ゴメール・フェルブルッゲンはそれだけで語り尽くせる系統ではない。中距離の王者として突出したスピード性ばかりが注目されるが、ただ速いだけの系統でもない。同じ賞金レースのシステムを持つ中国でゴメール熱が異常な高まりを見せている裏には、幾多の銘血の中からあえてゴメールを選ぶだけの明確な理由が存在した。

 
▼その他 ヨーロッパTODAY
成功へと導く信念のセオリー  長距離界の最高峰アールデンに超長距離CH
 アス・ダイフの銘血  古豪ヘルマン・ファン・ヘルモント
 75歳にして、ボルドーレースで宿願のインター制覇を遂げる。オランダ出身のベルギー最強ヘルマン・ファン・ヘルモントの成功の鍵は常に飛躍を目指し、その道を拓く独自のセオリーにあった。
GNを制覇したファンデウェーゲン!
 08年春・超長距離レースで本領を発揮した本格長距離血統
 総合優勝が尊ばれる日本鳩界においては、ヤンセン系に代表されるスピード系統が重宝されることは言うまでもない。しかし、それも1000キロレースまでのこと。1000キロ超のGNレースはスピードだけで勝ち切れるほど甘いものではないようだ。
 今春、東日本GNで最も目立った活躍をした系統といえば、総合優勝と総合7位の鳩に入ったファンデウェーゲンだろう。TDKロフト作の本格長距離血統の活躍は、今春の日本鳩界における大きなニュースの1つであった。地方に目を転じれば、北宮城GNで唯一羽帰り総合優勝もファンデウェーゲン系のレーサー。超長距離系の最高峰、ファンデウェーゲンの力を分析する。

 

 
 
 
▼その他 連載記事
 

■連載25 3年目の本気!? 新井健仁鳩舎

■連載20 アイキュウの輪 交友関係からみる意外な素顔 遠藤和男さん
■連載11  各地のベテランフライターに聞く 8月の管理
■連載5 「THE PIGEON」より 鳩の行動習性
■連載8 TO PIGEON BEGINNER 鳩レースのイ・ロ・ハ 講師・内田雅士氏
 

☆愛鳩の友2008年 7月号の紹介☆

2008年6月号の目次はこちら→
 
 ニッポンTODAY
 

 CH1000Kを翔破する  ジャパニーズヤンセン!
  
08年春 東日本CHを席巻したヤンセン系&クラック、ボルグマンのダイレクトラインを分析


 「ヤンセンと言えば中距離スピード系」。こんな認識はもう古い。海越えを要する日本の長距離当日レースにおいても、ヤンセンなしには勝ち切ることは難しくなりつつあるようだ。近年の東日本CHの上位入賞鳩を見れば、それは一目瞭然である。分速1200メートル後半で勝負が決まった03年、そして1300メートル台で決着した今春と、総合トップ10レーサの約8割にヤンセンラインが絡んでいたのだ。
 ヤンセン、クラック、ボルグマン。スピードに継ぐスピードを求める日本鳩界で、長距離スピード系としての純ヤンセンの威力を分析する。


アウデ・メルクス B67-6282031 リヒテ ♂ ヤンセン兄弟作 優勝7回
直子/ヨンゲ・メルクスド・019、フェロー等

 ■当日77羽のスピード戦

 今春、東日本CH放鳩当日は天候に恵まれた。北東からのおだやかな風にも恵まれ、当日77羽帰還のスピードレースとなる。しかし、翌日は雨。当日で勝負を決めなければ、上位入賞はおぼつかない展開となる翌日帰還するためにも、当日でどれだけ自鳩舎の近くまで飛んで来れたかが勝負の分け目になったと思われる。
 鳩は集団で飛ぶ生き物。先頭集団について来れるかどうかがポイントである。もちろん、レースにいたるまでの調整、管理が重要なことは言うまでもない。しかし、トップ集団から落ちることなく飛び続けるスピード能力を支えるのは、血統である。
 もはや、帰って来るだけで勝てる時代ではなくなった。1万メートルのトラックランナーでなければ通用しなくなったマラソンと同じく、Rg、地区Nで通用するスピードなしには、今の東日本CHでトップ集団に入ることは難しい。分速1300メートル前後で1000キロを一気に飛び続け、当日帰還するスピードと持続力。それを兼ね備えたレーサーを作るために「ヤンセン」は外せないキーワードになりつつある。

★08年度東日本CHトップ10&地区優勝鳩に絡んだ
ヤンセン系(12羽中8羽)

第45回(2008年度)東日本チャンピオンレース
放鳩日:5月12日午前5:00 放鳩地:北海道羽幌町汐見
参加:7751羽(1498鳩舎) 記録:1433羽(当日77羽)

 
序列 鳩番号    性 羽色  距離    所要時間    分速    連盟     氏名    連合会

1)07HS08513 ♂ BC 936.581 11:49:15 1320.523 つくばね 荒井 弘鳩舎(土浦中央)
 ヨング・メルクスライン×(ヤンセン×D.マタイス)

2)07KA35138 ♀ B  942.435 11:55:33 1317.077 埼玉   上原健一鳩舎(埼玉宮代)
  ファーストフライトヤンセン×ファンデンバルク作 オールドヤンセン

3)07HF09995 ♀ R  916.426 11:40:04 1309.056 東坂東  岩澤初彦鳩舎(北関東)

4)07HA11174 ♂ B  948.721 12:04:53 1308.791 茨城    柳田雅幸鳩舎(佐原)
  エリック・リンブルフ×横地スピード系(ヤンセン系)

5)06HF14167 ♂ DC 919.032 11:42:21 1308.510 東坂東  山本 茂鳩舎(北関東)
  スターレン系×クラックヤンセン系

6)07HL09223 ♂ BC 926.780 11:58:43 1289.494 埼群    星野栄士鳩舎(関東中部)

7)07KA22661 ♀ B  933.912 12:07:53 1283.052 埼玉    坪井政雄鳩舎(埼玉幸手)
  ラーメルス・リンデン系×スカラーケンス作 ヤンセン系

8)07KA22644 ♀ BPW 933.912 12:11:24 1276.882 埼玉    坪井政雄鳩舎(埼玉幸手)
  ファンデナベール(ヤンセン系)×スカラーケンス作 ヤンセン系

9)07HB17782 ♂ B  901.977 11:48:30 1273.079 北関東   加藤 勇鳩舎(茨城葵)
  AAA(マキシミリアンライン・ヤンセン系)×純瀬山系

10)06HA02532 ♀ BC 953.362 12:30:45 1269.879 茨城     小倉次郎鳩舎(佐原)

20)07LC15204 ♂ BCW 947.780 12:38:02 1250.314 平成千葉 豊島 亨鳩舎(つく南)
 (C地区優勝)中田ボルドー×クラックヤンセン系

 

 ■ヤンセンの近親バードが上位を席巻!

 08年東日本CHの総合優勝鳩を見てみよう。作翔者は荒井 弘鳩舎(土浦中央)優勝分速は1320メートル。実距離936キロを11時間49分で翔破した。血統を見れば、父鳩はヨングメルクスの近親ラインであり、ド・019も絡んでいる。母方はヤンセン×D・マタイス。一見、典型的な中距離バードの血統背景である。8,000羽近い1000キロレースで抜け出したのは、ヤンセン系の近親バードであった。
 総合2位は埼玉の上原健一鳩舎(埼玉宮代)。分速1317メートル。実距離942キロを11時間55分で翔破している。驚くべきことに、このレーサーもヤンセンの近親バードである。父はファーストフライトヤンセンにゴメールを絡めたスピード系。母鳩はなんとヤンセン系の偉大なる父、ブラウェ・ファン48の直系の流れをくむヤンセンの近親バード。ヤンセン×ヤンセンが1000キロを突き抜けた。
 総合4位の柳田雅幸鳩舎(佐原)は長距離の強豪として知られるが、今回のレーサーの母鳩は横地スピード系であることは注目される。母の母オートマティック号は地区N総合優勝鳩であり、両親はどちらもヤンセン系。1000キロ以上に標準を定める柳田鳩舎においては、好分速用のラインと言えるのではないだろうか。

 ■距離が延びるクラック・ヤンセン

 総合5位の山本 茂鳩舎(北関東)のレーサーを見てみよう。父方はスターレン系、母方にはクラックヤンセンにヤンセン×ファブリー。種鳩として使い勝手が良いとされるクラックラインがここで顔を出した。ちなみに、C地区優勝のレーサー(豊島 亨鳩舎使翔)にも母方にクラック・ヤンセンの血が絡む。ド・クラックといえば、純ヤンセンで結果を出し続けた偉大なレースマンだが、距離が延びても不安のないヤンセン系という評価が固まりつつある。中でも、クラックの最高傑作と評価される銘鳩ワンダー13号のラインは、日本のみならず、世界中で重宝されている極めて実践的な万能タイプのヤンセンラインである。クラック亡き今、この血脈の価値は年々高くなることが推測される。
 総合7、8位とまとめたのは坪井政雄鳩舎(埼玉幸手)。坪井鳩舎といえば、Cラインと名付けられたクラック系が主力だが、今回の入賞鳩は一味違うようだ。総合7位の母であるGP総合優勝鳩は、父がスカラーケンスのスーパースターのライン。遡ればヨング・メルクスに行き着くヤンセン系。総合8位の母鳩はこの鳩の全姉妹であることから、スピードレースにマッチした配合であったことが理解できる。


  ▲左からルイ・ヤンセン、ド・クラック、シャンレル・ヤンセン

 ■在来系×ヤンセンで成果

 ヤンセンはインブリード(近親交配)に強い系統として知られるが、アウトブリード(異系交配)においては、スピードを底上げし、相手の良さを引き出す柔軟性をも持ち合わせているところが心強い。それは純ヤンセンの共通した特徴であり、クラック、ボルグマンといった純ヤンセンがヨーロッパのみならず、日本、台湾、中国といったアジア各地で、地元の飛び筋とうまく馴染み、成功を収めていることからも証明されている。総合9位の加藤 勇鳩舎(茨城葵)のレーサーはその典型。ヤンセンが絡んだスピード系に純瀬山を配合し、1000キロ当日レースで結果を出した。

 ■21世紀を担うボルグマンヤンセン

 方向判定能力に優れ、驚異的なスピードを持つとされるヤンセンバード。反面、海あり、山ありの日本の地形においては、「長距離で落ちる」という辛い評価もあった。しかし、それはレースマンの腕の見せ所。配合と使い方によっては、1000キロでも十分通用することが証明されつつある。それどろか、ヤンセンを絡めずして総合優勝を果たすことが困難なほどに日本の鳩のスピード能力はレベルアップしているのだ。
 純ヤンセンの正統な継承者といえば、現役では純クラックで戦うボルグマン兄弟が代表格だろう。彼らの鳩のスピードと完成度は偉大なるヤンセン、クラックを凌ぐほどだという評価を持つ。日本では中距離レースで優勝鳩が幾羽も出ているが、今後、長距離でも結果が出ることが予測される。
 この春、本家ヤンセン最後の砦、ルイ・ヤンセンが体調を崩して入院したというニュースが入って来た。御年97歳。生ける鳩界の伝説に尊敬と幸運を。


   ▲クラックバードを受け継いだボルグマン兄弟。ヘルマン(左)とヤーヌス。

 

▼その他 ニッポンTODAY
三賞の今春 連載最終回 GP・CH・GNの結果はいかに!
 ついに最後の長距離レースが行われた。今春のレースはどの地域でも落とし穴があり、一筋縄ではいかなかったようだ。そんな中、昨年の三賞鳩舎はどのように海越えレースを戦ったのだろうか? 最終戦の結果をリポートし、今春を振り返る。
地区CH賞の今春 連載最終回 08年春シーズンを振り返る
 5月には春シーズン最後を彩る長距離レースが全国各地で開催。西日本でもGW中に開催した連盟は厳しい展開に…。 一方GW後に開催した北陸から近畿地方では、当日帰りが続出し、会心のレースとなる。気になるのは、地区CHたちの明暗。長距離の結果と共に08年春シーズンを振り返ってもらった。
■シーズン最後の闘いを終え…  2008年度 インタージェネレーション・コンペ開催
 5月初旬、全国各地で長距離レースが行われ、2008年春季シーズンはいよいよクライマックスを迎えた。今春、IGCに参加したのは全部門を通じ延べ99鳩舎を数えた。果たして、各部門のトップに立つのは誰なのだろうか? 受賞申請を行ったフライターに最終戦を振り返ってもらい、コンペに参加した感想を語ってもらった。
■08年度春季 3大長距離レース速報
 全国のフライターが憧れる3大長距離レースが開催された。今春はどんなドラマが繰り広げられたのであろうか。届きたての速報を掲載いたします。
■08年度春季 鳩協&日鳩レース速報
 08年春レースもいよいよクライマックス。編集部に届けられるホットな情報をお伝えします。
 
 
 
 ヨーロッパTODAY
 オールラウンドな強さの秘密
 “ベルギー最強鳩舎” ヨス・トーネのブリーディング
 ベルギーの最強フライターとして先頭をひた走るヨス・トーネ。短・中距離から長距離まで。専門が細分化されたレース事情の中、そのオールラウンドな強さは、彼が鳩作りの天才であることを証明し続けている。最強鳩舎のブリーディングの秘密に迫る。
 
 未来へと繋ぐTEEの力 
  CHブリーダーの威力引き出し勝ち続けるベルギー長距離界の雄エミール・デニス

 ベルギー長距離界を代表する強豪の1人。エミール・デニスの今日の地位を不動のものとした銘鳩TEEの優れた因子は連綿と子孫に受け継がれ、常にその存在をアピールし続けてきた。

 
 Vの連鎖を生む、孤高の純血 パトリック・デルルー・ファンブリアーナ
 〜伝説的な強さを今に伝える、ピュアブラッドの継承者〜
 代が替わっても強さがまったく衰えないのは、レーサーたちだけではなかった。全身全霊をピジョンスポーツに捧げた創始者、アンドレ・ファンブリアーナが死去しておよそ9年。彼が手塩にかけて練り上げた、純ファンブリアーナの常勝ラインは孫のパトリックのもとで今もなお、至高の輝きを放ち続けている。
 
 
▼その他 ヨーロッパTODAY

■燦然!スーパーCHコロニー  ペルピナンIN優勝鳩の孫で07年
 バルセロナIN制覇 メネ父娘

 昨年、長距離レースの華バルセロナINで見せたメネ父娘の鮮烈なる勝利は記憶に新しい。ペルピナンIN優勝鳩の孫でバルセロナINを制す。同鳩舎が誇るコロニーに、また1羽、スーパーCHが加わった。

 
 
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■連載24 東日本CH9羽帰還から学んだもの 新井健仁鳩舎
■連載19 アイキュウの輪 交友関係からみる意外な素顔  鎌田利信さん
■連載10  各地のベテランフライターに聞く 7月の管理
■連載4 「THE PIGEON」より 鳩の行動習性
■連載7 TO PIGEON BEGINNER 鳩レースのイ・ロ・ハ 講師・内田雅士氏
 
 
 
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