第5回ジャパンカップ放鳩ルポ
見果てぬ夢を乗せ、北の大空へ
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5月9日午前5時10分、第5回ジャパンカップの幕がついに切って落とされた。見果てぬ夢を託されたレーサーは、その数6540羽。予定日より1日延期し、満を持しての放鳩だった。天候は北海道が晴れ、内地も全国的にほぼ快晴となった。 |
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放鳩団というプロ集団
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日当たりや風通しが思わしくない、いわば死角にあたる箇所を丹念にチェックした末の駐車位置。トラック全体ではなく、ゲージ単位で考えているところに配慮の細やかさが明確に表れている。
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管理は放鳩委員とドライバーの二人三脚。細かなところまで配慮しているため、1回の給餌に2時間余りかかることも。普段は笑い声が絶えない、和気藹々とした放鳩団だが、管理の最中は真剣そのもの。まとまりもすこぶるよく、一丸となって放鳩成功を目指している。
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毛艶、目の輝きとも常に良好。ゲージ内という決して良好とはいえない環境でここまでの状態を保つには、フライターとしてだけではなく、放鳩委員としても豊富な経験が求められるはず。 |
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給餌の後は必ず清掃。地元の惜しみない協力が得られるのは、こうした努力を怠らないためだろう。
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天候に関する情報は速度と正確さが命。収集のために携帯電話は手放せない。 |
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緊迫の一瞬が連なった十五分
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↑放鳩直前の図。不均等な車間になったのは街路樹をよけるため。
←合図の旗を振り上げた木戸委員長。振り上げたのも、振り下ろしたのも「目が痛くなるほど太陽を見つめた…」末の、一瞬の決断だった。 |
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木戸委員長が合図の旗を抱えて歩き出したのが、4時50分過ぎ。放鳩車から100メートルほど離れてこちらを振り返った頃には、各車両の担当者はゲージの開閉レバーを握り、固唾を飲んで木戸委員長を凝視していた。
実際にはそれから15分ぐらいのタイムラグがあったのだが、空を見上げて身じろぎもしない木戸委員長の姿からはえもいわれぬ緊迫感が漂い、時が経つのを忘れさせた。放鳩までの15分は言わば、一瞬≠刻んでいくプロセスだった。
その感覚がなかったら、おそらく余りの唐突さにうろたえただろう。旗が振り下ろされたのも一瞬の出来事だった。同時に「ガチャ」という金属音。各車両のゲートが一斉に開き、6540羽が一直線に上空へ飛び立った。 |
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★放鳩直後のコメント★
「昨日は苫小牧、室蘭の海上に発生したガスがなかなか晴れず延期を決断しましたが、結果論としては正解だったようです。北の山脈の奥に小さな山があり、その輪郭がここからクリアに見えれば視界良好と判断しているのですが、今日(9日)は見え方が上々でした。その他ありとあらゆる条件を午前2時過ぎから内地の鶴岡さんと検討しましたが、今日はレースの障害になる要素が見当たらなかった。放鳩のタイミングもかなり慎重に見計らったつもりです。ベストとはいえませんが、悪くない放鳩だったと思います。もっともこれはあくまで現地の話。帰還コースの気温が高いのはやはり気がかりですね」(木戸節男放鳩委員長談)
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上武地区史上初、東日本GN総合シングル入賞!
阿左美和雄鳩舎 詳しくはtopicsで
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5月9日(土)に一斉放鳩された関東の「3大長距離レース」と呼ばれる、東日本CH、東日本GN、及びジャパンカップ。晴天に恵まれたものの高温、逆風によって翌日耐久戦になったこれらのレースを天候と入賞鳩の血統から読み解く。
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3大長距離レーストップ10分布図
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詳細は6月10日発売の愛鳩の友7月号にて
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