愛鳩の友

			ニッポンTODAY

最北端の空に響き渡る羽音
　２００９年春東日本ＧＮ稚内レース放鳩ルポ

　５月９日午前５時５分、強い西風を受ける中、２,８００羽近い精鋭達が一斉に飛び発ち、最北の地、稚内の空に羽音を響かせた。

　最近こそ、その言葉を耳にすることは少なくなってきたが、かつては「オッカナイ」と言い、帰すことの難しさを誰もが実感し、畏れてきた。稚内を放鳩地とする東日本ＧＮレースへ掛ける熱い思いを、鳩を預かり、参加者の待つ心を受け止めながら現地へと向かう放鳩者の心の中に見た。

　放鳩委員・責務を全うする愛鳩家たち

　ＧＮの放鳩場所となった中央埠頭を稚内公園より望む

稚内港にある北防波堤ドーム
　北海道遺産の一つとなっている全長４２４ｍの防波堤。１９３６年に完成し建設当時は北海道と樺太を結ぶ鉄道連絡船の桟橋と桟橋に到着する乗客を守る目的で作られた。現在も防波堤としての機能は維持され、船の発着する稚内港を守っている。

　「日本最北端の駅」の標柱がある稚内駅の構内には、「最北端の線路」の看板も設置されている。このすぐ近くの敷地に東日本ＧＮの２台のトラックを止め、給水、給餌を行っていた。

　１台のトラックは倉庫と倉庫の間に止め、もう１台は、その先に見える敷地内に止めた。放鳩者は２組に分かれて朝、夕の作業に汗する。

餌箱を並べ、前もって適量の飼料を入れてからコンテナの差込口から餌箱を入れていく。	放鳩者の三平富男さん（左）と運転手の貝塚秀之さん（右）コンビによる給餌。
角田保成・放鳩委員長（右）と、ベテラン放鳩者であり運転手でもある坂倉勲さんとでコンビを組む。こちらは坂倉さんの長年の経験に基く分量の飼料を直接、餌箱に入れながら作業を進める。
	餌箱が差し込まれると鳩達は待ってましたとばかり夢中で餌をついばむ。

東日本ＧＮ実行委員会としての寄付
　放鳩前日の８日午前９時半、稚内市役所を訪れ、角田保成放鳩委員長より横田耕一市長（左）に寄付を手渡す。三平さん、坂倉さんも同行し、市長と１０分程歓談した。

　４時２０分日の出。汐見高台の農道にトラックを一列にならべての放鳩となった。

　緊迫の一瞬が連なった十五分

　５月９日午前４時２２分。太陽が顔を出し辺りは徐々に明るくなってきた。それに伴い、飛び発たんとする鳩達のグルグルという声は一層大きくなる。

　１０秒前から角田放鳩委員長によるカウントダウンが始まった。
「１０、９、…３、２、１」スタート！
　午前５時５分、レバーが降ろされ日鳩委託分の６８羽を含む２,７９７羽が大きな羽音を立ててコンテナから次々に飛び出していく。

コンテナの扉が開かれた東に向かって飛び発つが、群れとなった塊は上空で大きく旋回し、帰る方角の南へと向かう。

■大埼玉で勝利する栄誉
　21年度春季埼玉連盟表彰式開催

　去る６月２１日、市民会館いわつきにて催された埼玉連盟表彰式には総勢１５０名を超える出席者が集まった。受賞者達は次々と壇上に上り、賞状やカップ、参加者全員からの祝福を受けた。

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■桧舞台に精鋭集結
　第５回ジャパンカップ総合表彰式開催

　去る７月１２日、さいたま市内大宮パレスホテルにて、第５回ジャパンカップ総合表彰式が行なわれた。セレモニーには、過去最多数となる約２００名のフライターが出席した。今春新たに誕生したヒーローへ惜しみない拍手が送られた。表彰式後の懇親会では、和やかな雰囲気の中、連盟の垣根を越えた愛鳩家の交流が見られた。

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■精魂込めた１羽に「勝利」が宿る
　09年東日本GNトップテン座談会催

　関東３大長距離レースが今春は５月９日に一斉放鳩となった。中でも、最長距離レースである稚内からのＧＮは最も困難なレース。高温、逆風というハードなコンディションの中、翌日早朝帰りを果たした総合トップ10鳩舎が集まった。それぞれの鳩にかける情熱を忌憚なく語る。

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■難戦で見せた破竹の勢い
　09年埼玉連盟桜花賞ベスト５座談会

　今年の埼玉は強かった。埼玉連盟桜花賞のトップ５がジャパンカップの総合序列でもシングル入りを果たすという異例の事態に。以前はどれほど羽数を投じても最上位になかなか来られない時代があったのだから、羽数の問題ではない。では、何が埼玉を変えたのか？　今回は優入賞鳩の血統構成から強さの秘密に迫った。

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